法人経営者のための節税・社会保険料削減・資産形成スキーム相談(コンサルタントによる説明)

2025-09-27 1:40:54 seminar

相談概要

(コンサルタント) 法人経営における節税、社会保険料削減、および資産形成に関するスキームについて、シミュレーション結果を基に説明を行いました。特に、社長(南口様)と奥様それぞれの所得状況に応じた最適なプランを検討。

検討されたスキーム1: 法人保険を活用した給与受け取りスキーム(社会保険料抑制)

概要: * 会社が保険契約者となり、従業員(役員)個人が費用を負担(給与として受け取ったとみなす)、受取人はその家族とする生命保険契約。 * この形式を取ることで、社会保険料の算定から外れることを目的とする。

メカニズム(社会保険料算定からの除外): * 税法には「みなし給料」の概念があるが、社会保険料算定においては「みなし給料」の概念がない。 * 社会保険のルール上、「事業主が保険契約者となって加入している生命保険の保険料」は報酬に該当しないと明記されている条文を利用。 * これにより、給与を増額しても社会保険料は増えず、手取り額(保険積み立て分)を実質的に増やすことが可能。

シミュレーション結果と提案: * 奥様の場合: 他に所得が少ないため、月5万円の報酬を25万円に増額し、20万円を積み立てに回すと、プラスの効果が大きい。5年継続でも十分メリットあり。 * 社長の場合: 他に所得があるため、合算すると年間税額が上がる。5年継続だと解約控除によりマイナス効果が出る可能性も。10年継続する前提であれば価値がある。 * 提案: 奥様は5年、社長は10年継続できるプランであれば価値がある。

(社長) 「個人に20万円を役員報酬として入れて、その個人として保険を買うということですか?」 (コンサルタント) 「契約者は会社ですが、費用は経営者個人負担、受取人はその方の家族になります。通常の法人契約とは異なりますが、この形にすることで社会保険料の算定から外れるやり方です。」 (社長) 「会社がお金を出してあげるのではなく、個人の財布から出す必要があるのですか?」 (コンサルタント) 「会社は報酬(給料)を支払っている形になります。その報酬は会社の経費になるため、法人税が下がります。受け取った本人は所得になるため税金は上がりますが、社会保険料はこれで抑えることができます。」 (社長) 「私の社会保険料が少なくなるわけではなく、増えないということですか?」 (コンサルタント) 「通常は報酬を下げて社会保険料を下げるケースが多いですが、社長の場合、現状月5万円と最低額に近いので、報酬を25万円に上げるが、20万円を積み立てることで社会保険料は現状をキープしたまま、法人経費を増やし、将来の貯蓄ができます。」

活用する保険商品: * 生命保険のみで可能。医療保険は別のルールのため対象外。 * 返戻率の高い国内大手保険会社(例: 日本生命)の商品を選定。 * 月20万円程度の積み立てを推奨。法人税圧縮のメリットを出すにはそれなりの掛け金が必要。

検討されたスキーム2: 通常の法人保険の活用

概要: * 会社の経費で加入し、何かあった場合は会社が保険金を受け取る法人契約の保険。 * 法人の利益を圧縮し、将来的に退職金や死亡退職金として活用する。

メリット: * 法人の利益が残りすぎると税金(約40%)で持っていかれるため、法人保険で将来に利益を繰り延べできる。 * 役員退職金として受け取る際は全額が経費となる。 * 現役の間は死亡退職金として、奥様やご子息の保障にもなる。

(社長) 「これは絶対にやった方がいいということですね?」 (コンサルタント) 「はい、現役時代に払い込みを終え、引退時に名義変更して個人に引き継げば、自分の退職金にできます。」

税理士の理解と連携に関する考察

社会保険料スキームへの税理士の反応: * 通常の法人保険は税理士も理解しているケースが多い。 * 社会保険料を抑制する給与スキームは、税理士の専門分野(税法)ではない社会保険のルールを使うため、理解されないことが多い。 * 多くの場合、「そこまでしなくても」「時期尚早ではないか」といった反応や、「違法ではないか」といった疑問が出ることがある。

税理士への説明の難しさ: * 税理士は税法に詳しくても社会保険には詳しくないことが多い。 * 報酬の算定から外れる仕組み(「事業主が保険契約者となって加入する生命保険の保険料」が報酬にならない)を理解していない。 * 社長自身が説明した方が理解されやすい可能性が高い。コンサルタントが直接説明すると「外部の人間」としてプライドから聞いてもらえない場合がある。

(社長) 「僕の税理士と話してもらうことは可能ですか?」 (コンサルタント) 「税理士さんが理解されない可能性は十分あるということはご理解ください。東京では聞いたことがあるという人もいますが、福岡では珍しいスキームです。」 (社長) 「会計事務所の指摘事項はどのようなものが多いですか?」 (コンサルタント) 「『そこまでしなくてもいいのでは』『時期尚早ではないか』が大半です。違法性については社会保険分野なので、税理士の専門外のため議論にならないことが多いです。」

検討されたスキーム3: 企業型確定拠出年金(企業型DC)の活用

概要: * 会社が掛け金を負担し、従業員(役員)個人の口座に積み立てる年金制度。 * 会社の経費として処理でき、個人の所得税や社会保険料の対象とならない。

イデコ(iDeCo)との比較: * イデコ: 個人で掛け金を拠出し、自身の所得控除となる。拠出限度額が低い(例: 月2.3万円)。 * 企業型DC: 会社の経費で掛け金を拠出(例: 月5.5万円、来年から6.2万円)。福利厚生として会社の資金を個人口座に積み立てる。

メリット: * 会社の経費が増えるため、法人税が圧縮される(例: 月6万円拠出で年間72万円経費増→法人税20万円削減)。 * 個人の所得税・社会保険料の対象とならないため、手取りが増える。 * 将来の資産形成になる(学資保険が不要になるケースも)。

導入に関する注意点: * 導入費用や月額費用が発生する。SBIベネフィットの場合、導入費用(初年度のみ)と月額費用がかかる。 * 従業員が1名いると、導入費用が安くなる可能性のある他の運営管理機関(例: IoE)も検討できる。ただし、役員2名の場合はSBIベネフィットが選択肢となる。 * 導入までに半年程度かかる。 * 従業員を半年間だけでも雇用し、社会保険に加入させることで、費用を抑えるスキームも存在するが、倫理的な問題や手続きの煩雑さがあるため、推奨は難しい。

(社長) 「なぜ、税理士からはイデコではなく企業型DCを勧められなかったのでしょうか?」 (コンサルタント) 「税理士さんの中には、企業型とイデコの区別がついていないか、深く理解していない方が多いです。また、導入費用や月々コストが発生することに対して、金融機関の商品がただで利用できると誤解している方もいます。」 (社長) 「妻も個人でイデコに入っていますが、企業型DCに切り替えた方がいいですか?」 (コンサルタント) 「はい、奥様分も2人で月5.5万円ずつにすれば、毎月11万円の経費を会社で落とせます。その分は個人の所得には入りません。」

検討されたスキーム4: 複数法人設立による節税・資産形成

メリット: * 法人税率の優遇: 法人税は所得800万円以下で税率が異なるため、複数の法人で所得を分散させることで、低い税率を適用できる。 * 退職金制度の複数活用: 会社ごとに退職金を受け取ることが可能になり、将来的な手取りを最大化できる。

提案: * 現在の法人の課税所得が1,000万円程度であれば、もう1社設立し、所得を分散することを推奨。 * 新法人の決算月は、既存法人とずらすことで、税理士の繁忙期を避け、会計処理を分散できる。

(社長) 「もう1社作ると設立費用や税金コストがかかりますが?」 (コンサルタント) 「計算すると作った方が得になります。新法人は1年目は消費税免除などもあり、早めに作っておくのが良いです。決算月はいつでも変更できます。」

コンサルタント(原氏)のビジネスモデルと協会活動

日本確定拠出年金推進協会(一般社団法人): * コンサルタントが代表を務める一般社団法人。 * 社会貢献を目的として企業型確定拠出年金を普及させる活動を行っている。 * 収益は、協会活動を通じて顧客を保険会社(コンサルタントが所属)に紹介し、その保険契約からの手数料で賄われている。 * 協会自体は利益を追求せず、必要経費が出ればよいというスタンス。 * 「社会貢献」という仮面をかぶることで、顧客からの信頼を得やすく、保険の営業という印象を与えないようにしている。

コンサルタントの哲学: * 「保険の営業は必ずお客さんが損する」という考えを嫌い、顧客にメリットのある「Win-Win」のスキームを提案。 * 提案するスキームは、税法や社会保険の抜け穴ではなく、制度の根幹を理解し活用する「王道」であると認識。

(社長) 「日野市さんはどこでお金を稼いでいるのですか?」 (コンサルタント) 「協会で広げた活動を通じて、我々の所属する保険代理店に顧客を紹介し、保険会社からの手数料で収益を得ています。協会自体は非営利のため、利益は出ません。」 (社長) 「まるで協会という仮面をかぶった生命保険会社のようですね。」 (コンサルタント) 「表現は良くないかもしれませんが、顧客に『これだけ利益が出ますよ』と説明することで、保険加入によるメリットを理解してもらい、Win-Winの関係を築いています。これにより、断られることが少ないです。」

今後のアクションプラン

  1. 役員報酬の変更(来期以降):
    • 奥様の役員報酬を月5万円から25万円に増額、社長の役員報酬は調整。
    • 議事録変更は年に1回、決算から2ヶ月以内に行う必要があるため、次回決算後に検討。
  2. 法人保険(通常の法人契約)の契約:
    • 早めに開始することで、1年間分の経費計上が可能。月払いか年払いか選択。
    • 契約手続きは早ければ10月1日開始で可能。
  3. 企業型確定拠出年金(企業型DC)の導入:
    • 従業員を雇用した場合の費用メリットを検討(導入までに半年程度かかる)。
    • 導入手続きはコンサルタントがサポート。
  4. 新規法人設立の検討:
    • 課税所得が1,000万円以上であれば、早期に設立を検討。
    • 決算月は既存法人とずらす。
  5. 業務自動化システムの検討:
    • コンサルタントが現在手作業で行っているシミュレーションや提案書作成の自動化。
    • 社長が知り合いのエンジニアに相談する。

補足事項・質疑応答

  • 社会保険料抑制スキームにおける税金: 給料として積み立てるため、受け取り時には税金がかからない(二重課税にならない)。通常の法人保険の解約返戻金とは異なる扱い。
  • 運用益への課税: 個人保険の場合、元本を超えた運用益が50万円を超えると雑所得や一時所得として課税される可能性があるが、現在の低金利環境ではほとんど発生しない。
  • 協会の透明性: 一般社団法人は利益を追求しないため、信頼性が高い。コンサルタントは当初、協会から無報酬で活動していた。
  • スキルと人材育成: スキームの作成には高度な専門知識とエクセルスキルが必要。このため、協会のメンバーは当初10人いたが、ついてこれず辞めていった者が多い。決算書の読み方や数字の意味を深く理解できる人材が求められる。
  • クライアントの事業状況: 年間売上4,000万円、課税所得800万〜1,000万円。現金のポジションも良好で、経営は健全な状態。
  • ドクター向け教育事業: 社長は1,000人規模のドクターコミュニティを持ち、教育事業を展開している。コンサルタントのノウハウをセミナー形式で提供することに意欲を示すが、コンサルタントは現在の業務量からすぐに引き受けるのは難しい状況。

契約手続きについて: * 日時: 10月10日(金)午前10時 * 場所: 社長のご自宅(福岡市早良区西陣) * 必要なもの: * 法人のゴム印(社判):会社名、代表名、住所が記載されたもの(なければ手書き対応)。 * 法人の丸印(会社実印)。 * 法人の銀行口座情報(通帳)。 * 法人の銀行印。 * 社長の運転免許証。 * (奥様分の手続きも同日に希望する場合、奥様の運転免許証と印鑑も必要。2回に分けることも可能。) * その他: * 最近引っ越しをしたため、古い決算書と住所が異なる可能性があるので、正確な住所情報をLINEで送付。 * 企業型DCのパンフレット等、検討資料を持参。 * 奥様の母親を従業員として雇用する案(企業型DCの導入費用削減のため)は、社会保険加入が必須となり現実的ではないと判断。