1. CO-CRシフト患者の診断と治療計画 CO-CRシフトの特定: 患者は側方クロスバイト(交叉咬合)があり、下顎が前方へシフトしているケース。 初診時の咬合接触では、側方歯のみが接触している(「後ろの歯は噛み合っていない」)。 治療の目的: 不必要な歯の挺出(erupt)を避ける。 前歯部の干渉(anterior interference)を除去する。 治療の結果、下顎が自然に正しい位置で閉鎖する「バイトジャンプ(bite jump)」を実現する。
2. CR位でのバイトスキャン手順 CR位の確保: 講師は下顎に手を添え、患者がセントリックリレーション(CR位)にあることを確認・保持する。 患者には「顎の筋肉を使わず、シフトしないように、じっとしている」よう指示する。 この際、歯(特に臼歯部)は接触させてはならない。 スキャンの実施: 講師がCR位を保持したまま、アシスタントがバイトフォーク(bite fork)を挿入する。 この状態でバイトスキャンを行う。 「シリコンバイト印象ではなく、この方法でCR位を維持してスキャンを行う。」 手技のポイント: 両側性下顎操作(Bilateral manipulation of the mandible): 下顎を上前方へ誘導し、CR位を確保する手技。 「患者がシフトせず、閉じず、筋肉を使わず、ただじっとしているように感じられる。」
3. CR位バイトスキャンの適用基準 必須となるケース: CO-CRシフトが顕著な患者。 咬合に大きな課題があり、咬合がシフトする患者。 CO位スキャンで十分なケース: CO-CRシフトが小さい患者。 講師のコメント: 「私は全ての患者に行うわけではない。本当に必要な患者、つまりCO-CRシフトが大きく、咬合に課題がある患者にのみ、セントリックリレーションでのスキャンを行う。」