Invisalign治療アドバンスドディスカッション:臨床技術、成人矯正、EBAO受験、IPR研究
オンラインミーティングの日程調整
- 日本の夜の時間とバンクーバー、パリの時差を考慮して調整。
- 日本 8-11pm → バンクーバー 3-6pm
- 日本 11am → バンクーバー 6pm → パリ 3pm (3拠点での同時開催は困難)
- 日本 5:30am → バンクーバー 5:30am (早朝の準備が必要)
- 2月15日、22日、3月1日が候補に挙がるが、一部の参加者は22日と1日は不可。
- 2月29日 (日本時間3月1日) を候補として検討。
- バンクーバーの金曜の夜が日本時間土曜の昼。
- 金曜夜に患者を診察しないため、早朝5時に起きるか夜11時まで起きていることも可能。
学会参加予定
- ブリュッセル (Brussels): 2月24日、25日に予定。
- ヨーロピアンサミット (Invisalign European Summit): 開催予定。
- EAS (European Aligner Society): 参加予定。
- AAO (American Association of Orthodontists): 参加予定。
2. Invisalign治療の臨床戦略
アタッチメントの適用と管理
- アタッチメント不使用のケース:
- 映画スターなど、審美性を重視する患者。
- Dental Monitoringを利用し、患者が頻繁に来院しないケース(アタッチメントの脱落を防ぐため)。
- 歯の遠心移動(distalization)や、第二大臼歯の遠心移動では、アタッチメント不要でアライナーのプラスチックラップで対応可能。
- 下顎5番の回転矯正では、その丸い形状のためアタッチメントなしでのアライナーのみの矯正は難しいとの意見も。しかし、elasticを使用することで矯正可能とする意見もある。
- ロングトラッキング時のアタッチメントの扱い:
- アタッチメントの除去: アライナーが最初にアタッチメントに当たるかもしれないが、その後歯にフィットし、アタッチメントがなくても歯を正しい位置に戻せる。
- アタッチメントの再配置: 既存のアタッチメントがアライナーにフィットしない場合(例: 回転矯正が不十分な場合)、アタッチメントを除去し、アライナーに合うように再配置することで、矯正を継続できる。
- これにより、歯が停滞するのを防ぎ、回転や傾斜を継続して修正できる。
- 大臼歯の傾斜矯正でも同様。
- 歯の圧下(intrusion)時のアタッチメント:
- 圧下力はアライナーのコーパスクル(歯冠全体を覆う部分)から来るため、頬側のアタッチメントは不要。
- 歯が圧下されるにつれてアタッチメントがアライナーに非適合になる場合は、アタッチメントを後で除去することを推奨。
特定の歯の移動
- 下顎5番の回転矯正: 丸い形状のため、アライナーのみでは難しいケースがあるが、弾性ゴム(elastic)の使用が有効。
トルクコントロール
- クラウンラビアルトルクではなく、ルーツ(歯根)をコントロールする。
- クラウンリンガルトルク(舌側傾斜)の重要性について言及。
- Sparkアライナーはパワークリッジがないため、リンガルルートトルクに優れているとの見解。
3. 成人矯正の治療方針と患者対応
若年患者と成人患者へのアプローチの違い
- 若年患者: 理想的な治療目標を設定し、妥協のない完璧な治療を目指すべき。
- 成長期の患者は、完璧な咬合を享受する長い年月があるため、早期の妥協は避ける。
- 14歳の患者が顎矯正手術を拒否しても、24歳で後悔する可能性があるため、その時点での妥協はすべきではない。
- 成人患者 (40〜50代): 現実的な治療目標を設定する。
- 歯の摩耗が進んでいる場合、理想的な回転矯正を行うと、咬合面が完全にフィットしない可能性がある。
- 患者の主訴が歯列の見た目の改善("straight teeth")のみである場合、過剰な治療(例: 抜歯、外科手術)は避ける。
- クラスIIやクラスIIIの不正咬合でも、患者に不満がなければ無理に修正しない方針も検討する。
- 治療計画書に、修正しない咬合の問題点を明記し、歯科医と患者に明確に伝える。
クラスII/クラスIII症例への対応
- クラスIII/クラスIIの歯科矯正学生の症例:
- 凸状のプロファイル、垂直方向の歯槽骨過剰(vertical maxi excess)を呈する患者。
- 上顎の圧下、下顎の前方移動、オトガイ形成術(genioplasty)が検討される。
- 歯科的に代償された咬合(dentally compensated occlusion)で、下顎の前方移動のためのオーバージェットが不足している場合、従来の治療法では下顎の第一小臼歯2本抜歯が提案されることがある。
- この場合、抜歯するとクラスIII臼歯関係になり、第二大臼歯が非機能的になる可能性がある。
- 提案された治療計画: 抜歯をせず、下顎大臼歯の連続的遠心移動(lower molar sequential distalization)と下顎アーチバイター(lower archbiter)を使用してオーバージェットを確保する。
- さらに、片方の顎の手術を回避するために、全顎アーチバイターと圧下、およびキャッツ(アタッチメントの一種)の使用を試すことも可能。
- これにより、上顎の手術を回避し、下顎のみの手術で済む可能性もある。
- 他の教授とは異なる治療計画を提案し、患者から好意的に受け入れられる。
4. Invisalignを用いた口蓋拡張(IPE)に関する研究
口蓋の形態変化に関する研究
- 研究目的: 口蓋拡張装置(expander)によって口蓋の形態がどのように変化するかを測定する。
- 研究方法:
- microCTで口蓋の断面を測定。
- ステージ0(受動段階)でのアライナーと口蓋の間の小さなギャップを測定。
- 拡張7日目、および拡張終了時にも測定。
- 各測定時に複製のエキスパンダーをSTLファイルに適合させ、ギャップを測定。
- 研究結果:
- 口蓋の表面積は統計的に有意に増加したが、体積は増加しなかった。
- これは、口蓋が広がる際に口蓋の屋根が下がるため、体積の増加が相殺されるため。
- コンピューターモデリングでは、口蓋が広がるとV字型から扁平化すると予測されているが、実際の患者でその変化を測定している。
- アライナーは、最初の装置では口蓋の形態に沿うが、最後の装置ではより扁平になっている。
5. EBAO (European Board of Aligner Orthodontics) 受験について
受験要件とケースレポート
- ウェブサイトで受験に必要なケースタイプに関する情報が全て提供されている。
- 複数の異なるタイプの症例が必要。
- 全ての提出症例は、治療完了後1年以上の保定記録(post treatment records)が必須(2年、3年後でも良いが、最低12ヶ月)。
- 早めにケースを集め始め、保定記録が不足している場合は患者を再来院させ、記録を取得するよう推奨。
登録の競争率と対策
- 登録開始から2時間以内に定員(20名)に達してしまうほどの競争率。
- 登録開始時刻(午前1時か12時)をアラーム設定するなどして、速やかに登録する必要がある。
資格取得の意義と目的
- 自身の専門性を示すための資格であり、他者に自身の治療の質を評価してもらう機会。
- 特に講演活動を行う場合、自身の仕事の質を示す上で重要。
- Dr. Sandra Tai自身も、他の人々を刺激するためにEBAOを受験した。
6. その他
食事と旅行の話題
- 美味しいラーメン店やフレンチレストランに関する情報交換。
- バンクーバーやパリでの食事の経験。
- アジア(オーストラリア、シンガポール、台湾)への出張予定について言及。
専門用語の確認
- ウェブセフ(WebCeph)、ドルフィン(Dolphin)などのセファロ分析ソフトウェアについて。
- 「ドライ」という言葉で口が乾く感じを表現。
日本の先生方の話題
- 村上先生、東野先生、マスオカ先生の名前が挙がる。
- 彼らの子供たちが同じ大学にいる、同じ学年であるといった個人的な交流について。