Complex Extraction Cases + MIA -- Prof Minkwan Han

2026-04-10 40:20 seminar 15 slides (autoplay)

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講義・セミナー(トピック別ノート形式)

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講義概要

本講義では、Clear Aligner(クリアアライナー)とマイクロインプラント(矯正用アンカースクリュー)を併用した難症例の矯正治療に焦点を当て、特に垂直的コントロールの重要性とその具体的なアプローチについて解説する。様々なクラスII不正咬合、下顎後退、骨格性クラスIIIといった困難なケースにおける治療計画と臨床結果を提示し、精密で予測可能な治療を可能にするための戦略を学ぶ。


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導入症例:ハイアングル Class II 抜歯症例

Clear Aligner治療は、今日ではほとんどの臨床ケースに対応できるほど発展しているが、垂直的コントロールはClear Alignerと固定式装置の両方にとって最も困難な課題である。特にハイアングルClass IIのような多くの高難度ケースは、Clear Alignerでの治療が非常に難しい。

患者情報

  • 年齢: 約20歳男性
  • 主訴: 口元の突出感、小さな下顎
  • 口腔内所見: 歯列はよく整っているものの、臼歯はClass III関係。多数の虫歯が存在し、治療を困難にしている。
  • 骨格パターン: Class IIハイアングルケースで、外科的矯正治療も検討されるレベル。
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治療計画

  1. 抜歯: 通常は第一小臼歯を4本抜歯するが、この患者の上顎第二小臼歯が両側とも保持不能であったため、上顎第二小臼歯を抜歯した。
  2. 牽引補助: 上顎第二小臼歯の抜歯は前歯の遠心移動を困難にするため、マイクロインプラントの補助が必要となる。
  3. エラスティックボタンの設置:
    • 上顎には舌側にエラスティックボタンを設置。
    • 下顎には通常の唇側にエラスティックボタンを設置。
    • 上顎前歯の舌側ボタンは、エラスティックを歯の切縁と咬合面を越えるようにかけることで、前歯に付加的な圧下力を与える。
  4. 臼歯のアンカレッジ: マイクロインプラントを用いて臼歯を固定し、下顎の反時計回り回転を促進する。
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治療結果

  • 両側でClass I臼歯関係を達成。
  • 上下顎前歯の遠心移動。
  • 咬合関係は非常に良好。
  • 患者の顔貌プロファイルが劇的に改善。
  • この垂直的コントロールはマイクロインプラントなしには良好な結果は得られなかった。

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Part 1: Clear Alignerとマイクロインプラントの概要

(このセクションの詳細は文字起こしデータのハルシネーションにより失われました。)


Part 2: (内容消失)

(このセクションの詳細は文字起こしデータのハルシネーションにより失われました。)


Part 3: マイクロインプラント併用前歯圧下

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バイオメカニクスに関する研究

  • 2022年の論文では、3D有限要素法を用いて、Clear Alignerとマイクロインプラントの挿入位置の違いによる上顎前歯の圧下と後退における生体力学的差異を調査。
  • 最適なトルクコントロールと垂直的圧下: 上顎中切歯間にマイクロインプラントを挿入することで、上顎前歯の後退時に最適なトルクコントロールと良好な垂直的圧下が得られる。
  • 純粋な圧下効果: 上顎中切歯と側切歯の間にマイクロインプラントを挿入すると、上顎前歯に最も優れた純粋な圧下効果が得られる。
  • Clear Alignerによる前歯の後退: 前歯の唇側傾斜(bowing effect)や挺出を防ぐため、垂直的な圧下力を加えることが推奨される。

圧下モデルと影響要因

  • 上顎前歯の圧下には、マイクロインプラントを用いたいくつかのモデルがある。
  • マイクロインプラントの位置、荷重サイズ、およびモードは、上顎前歯の圧下と傾斜に影響を与える。
  • 唇側荷重(Labial loading): 全体的な圧下を達成する。
  • 舌側切縁荷重(Lingual incisor loading): 切歯の挺出と唇側傾斜の増加をもたらす。
  • 異なる荷重モデルは、犬歯の歯冠の近遠心方向の傾斜にも逆の影響を与える。

「マイクロインプラントの位置と荷重モードがどのように異なる圧下結果をもたらすかの要約を参考にしてください。このアプローチに従うことで、より良い結果が得られるでしょう。」

  • 推奨されるマイクロインプラントの位置、角度、および力: Clear Alignerによる前歯圧下において推奨される現在の方法が提示された。

症例提示:Class II Division 2患者(ディープオーバーバイト、舌側傾斜前歯)

患者情報

  • 主訴: 著しく舌側傾斜した上顎前歯と深いオーバーバイト。
  • 口腔内所見:
    • 上顎前歯が強く舌側傾斜し、極めて深いオーバーバイトにより下顎前歯の歯肉に咬み込んでいる。
    • 右側はClass II臼歯関係。
    • 幼少期に下顎第二小臼歯を喪失。
  • 顔貌所見: 一般的に Class II Division 2 患者の顔貌プロファイルは悪くないことが多いが、この患者は「terrible downside」を理由に笑顔を躊躇していた(※gummy smileの可能性)。
  • セファロ分析: 骨格性Class IIパターン、ロングフェイスパターン。下顎前歯も舌側傾斜しており、深いオーバーバイト。
  • パノラマレントゲン: 治療前の上顎前歯は骨のデヒッセンス(骨露出)やフェネストレーション(骨欠損窓)があることが多い。

治療課題

  • 伝統的な固定式装置ではトルクコントロールが非常に困難。初期のアライメントでは細いワイヤーしか使用できず、トルクコントロールがないためデヒッセンスやフェネストレーションを悪化させる可能性がある。
  • 第一小臼歯の抜歯は選択肢にならない。
  • 患者は大学生で卒業後に帰郷するため、治療期間を2年未満に希望。

治療計画

  1. 抜歯の代替: 抜歯ではなく、将来的なインプラント補綴のためにスペースを保持することを選択。
  2. 圧下初期: まず唇側にエラスティックボタンを設置し、マイクロインプラントと併用して圧下を開始。
  3. バイトオープン後: 徐々にバイトがオープンした後、舌側にエラスティックボタンを使用し、圧下と上顎前歯の適切なトルク回復を同時に行う。
  4. マイクロインプラントの補助: マイクロインプラントの補助により、上顎前歯の正常なトルクを回復させ、深いオーバーバイトを解消し、上顎前歯を圧下して最終的に両側Class I臼歯関係を確立する。

治療結果

  • Clear Alignerは、Class II Division 2のような不正咬合に対して固定式装置よりもはるかに優れている。
    • 臼歯の遠心移動において、Clear Alignerは固定式装置よりも効果的。
    • 歯列アライメント中にトルクをかけられるため、上顎前歯の骨デヒッセンスやフェネストレーションを回避できる。
  • 術後口腔内写真: 上顎前歯の正常なトルクが回復し、深いオーバーバイトの問題が効果的に解消された。
  • 術後顔貌写真: 患者の元の顔貌プロファイルが基本的に維持され、以前よりも自信を持って笑えるようになり、ガミースマイルの問題が大幅に改善された。
  • 術後セファロ分析:
    • SNBアングルが正常に戻った。
    • 上顎前歯の舌側傾斜が大幅に改善された。
    • 深いオーバーバイトが解消された。
    • 上下顎前歯間の歯軸角も正常化された。
  • 術後パノラマレントゲン: 歯根の平行性が良好で、著しい歯根吸収は見られない。
  • 術後笑顔写真: ガミースマイルが劇的に改善され、患者は心置きなく大きく笑えるようになった。
  • 術後プロファイル: 元のプロファイルが基本的に維持された。

Part 4: マイクロインプラント併用臼歯圧下

臼歯圧下の原則

  • 歯体移動による圧下: 1996年には、歯体移動による圧下を達成するためには、矯正力が歯の抵抗中心を通過し、頬側と口蓋側の両方から力を加える必要があると提唱された。
  • Clear Alignerの利点: Clear Alignerは、挺出した臼歯の歯冠を頬側と舌側の両方から同時に覆うことができる。これにより、加える力が臼歯の抵抗中心を通過し、臼歯の圧下方向をより良くコントロールできる。

バイオメカニクスに関する研究

  • 2022年の研究では、4つの異なる3D有限要素モデルを構築し、各歯の変位変化、アライナーと歯周靭帯の応力分布を解析した。
  • マイクロインプラントはClear Alignerによる上顎第一大臼歯の圧下を改善する。
  • 両側の頬側・口蓋側への設置が最も効果的。
  • しかし、望ましくない前歯の移動を防ぐことはできないため、追加のアンカレッジが必要となる。
  • 臨床医は歯根吸収を減らすために、牽引力を適切に調整すべきである。
  • 推奨されるマイクロインプラントの位置、角度、および力: 上顎臼歯の圧下において推奨される現在の方法が提示された(頬側と口蓋側の両方で)。

症例提示:重度の下顎後退と叢生を伴うClass II骨格パターン

患者情報

  • 主訴: 下顎後退を最も改善したい。
  • 口腔内所見:
    • 幼少期に上顎左中切歯(#21)を喪失し、上顎正中線が偏位。
    • 上顎右第二大臼歯(#17)と下顎右第二大臼歯(#47)が交叉咬合。
    • 両側でClass II臼歯関係。
    • 上下顎歯列弓に強い叢生。
    • 多数の虫歯が存在。
  • 顔貌所見:
    • 著しい下顎後退を伴う骨格性Class IIパターン。
    • 平均的な垂直的成長角度と下顎前歯の前傾。
  • パノラマレントゲン: 歯周組織の状態も良好ではない。

治療課題

  • 平均的な垂直的成長パターンでは、下顎の反時計回り回転は達成が難しい。
  • 患者は単独の矯正治療では改善が難しいことを事前に説明されたが、外科手術を拒否。

治療計画

  1. 歯の置換: #22を#21の代替として使用し、#23を#22の代替として使用。
  2. 抜歯: #14、#34、#44を抜歯。
  3. マイクロインプラントによるアンカレッジ:
    • 上顎に4本のマイクロインプラントを設置し、上顎臼歯のアンカレッジを確保。
    • 下顎に2本のマイクロインプラントを設置し、下顎臼歯のアンカレッジを確保。
  4. 垂直的コントロール: 垂直次元を可能な限りコントロールし、下顎の反時計回り回転を達成することを目指す。
  5. 前歯の圧下:
    • 上顎中切歯が1本欠損しているため、上顎前歯の圧下にはマイクロインプラントは不要と判断。
    • 下顎前歯の圧下はアライナーのみで可能と判断し、下顎前歯部にはマイクロインプラントを設置しなかった。

中間結果

  • 歯列は基本的にアライメントされ、臼歯関係はClass Iに調整された。
  • 患者の下顎は治療前と比較して大幅に改善された。
  • 下顎の反時計回り回転がいくらか達成された。
  • 患者は非常に満足していたが、さらに良い結果を目指し、追加の治療期間に合意。

追加治療計画

  1. 臼歯の圧下: マイクロインプラントを用いて上下顎臼歯をさらに圧下。
    • 下顎臼歯の真の圧下は難しいが、高さをコントロールすることは可能。
  2. 前歯の圧下: アライナーを用いて上下顎前歯を圧下。
  3. 下顎の反時計回り回転: これらの処置により、下顎の反時計回り回転を効果的に達成する。

最終結果

  • 患者は非常に満足。
  • 歯列は整い、Speeのカーブは平坦化された。
  • 両側でClass I臼歯関係が確立。
  • オープンバイト(開咬)が解消され、良好なオーバージェットとオーバーバイト。
  • 良好な歯根平行性。
  • ガミースマイルが大きく改善され、患者は自信を持って笑えるようになった。
  • プロファイルも元の状態を基本的に維持しながら改善された。

Part 5: マイクロインプラント併用外科矯正

術前矯正の目標とClear Alignerの有効性

  • 術前矯正治療の主要な目標は「非代償(decompensation)」である。
  • Clear Alignerは、術前非代償と術後調整において、固定式装置に匹敵する安定した結果をもたらすことが確認されている。
  • マイクロインプラントとパワーアームを併用したClear Aligner治療は、外科的矯正治療の安定性、精度、予測可能性を高める。

症例提示:骨格性Class III外科矯正

患者情報

  • 口腔内所見:
    • 両側でClass III臼歯関係。
    • 著しい上顎叢生。
    • 下顎叢生、前歯部交叉咬合、反対咬合。
    • 深いオーバーバイト、上下顎歯列弓の不一致。
  • 顔貌所見:
    • 典型的骨格性Class III顔貌パターン。
    • 上顎骨劣成長、中顔面劣成長。
    • 笑顔時の歯の露出も不良で、審美性が低い。
    • 下顎も偏位している。
  • 術前セファロ分析: 骨格性Class III傾向、ローアングルパターン。下顎前歯の前傾、オーバージェットの減少、軽度の開口傾向。
  • 術前パノラマレントゲン: 虫歯と修復歯(下顎第二大臼歯)が存在。

治療課題

  • 矯正と外科手術を組み合わせた治療において最大の課題は、適切な上下顎歯列弓のコーディネーションを達成すること。
  • コンピューター支援のClear Alignerは、この点で固定式装置よりも優位性がある。
  • 術前矯正は本質的に非代償のプロセスである。

治療計画

  1. 抜歯: 2本の上顎第一小臼歯を抜歯し、非代償を達成。
  2. 歯列アライメント: 歯列の整列、前歯部交叉咬合と反対咬合の改善。下顎後退術のための準備。
  3. 咬合調整: 密接で安定した咬頭嵌合を目指して患者の咬合を調整。
    • 固定式装置の治療終盤と同様に、多くの垂直エラスティックを使用。
  4. 術後調整: 手術後、外科医も上下顎にエラスティックボタンを設置。これらの口腔内エラスティックを使用して、下顎の刺激をさらに調整し、保持方法としても機能させる。

治療結果

  • 矯正治療終了時写真:
    • 両側で完全なClass I臼歯関係。
    • Class I犬歯関係、正常なオーバーバイトとオーバージェット、整列された歯列。
  • 術後顔貌写真: 手術後、劇的で洗練された改善が見られた。患者は減量にも成功し、より魅力的になった。
  • 術後セファロ分析:
    • 良好な骨格パターン。
    • 術前後のセファログラム比較により、下顎前歯の突出が大幅に減少し、前歯の後退が改善されたことが確認された。
    • 正常なオーバージェットとオーバーバイトが達成され、矯正および外科的矯正治療のステップが完了。
  • 術後パノラマレントゲン: 良好な歯根平行性を示す。
  • 術後笑顔写真: 術前後の笑顔の比較により、患者がはるかに自信を持つようになったことが明確に示されている。

「この種の術前後のプロファイルの劇的な変化こそが、患者の喜びと矯正治療の醍醐味であり、我々の職業の誇りでもあります。」


ありがとうございました。